ss401t390904’s diary

偏屈頑固オヤジの戯言

生きモノ。

 

 

こんなつまらんブログを読んで

「浪人さんが書く文章好きなんですよね。長いのにスッと入ってくるから好きです」

などという非常にありがたいお言葉を頂戴した。

オレは自身の思いや主張をダラダラ書いてるだけ。しかも長い。(笑)

それをたった1人でも “好き” だと言ってくれる人がいることに嬉しさを感じ、元気を貰った。

 

 

 

 

 

 

 

1号機は、建屋の隅っこにひっそりと佇んでいた。

約20年ぶりの再会。保存状態も非常に良い。

風雨に晒されることもない。余生を送るには素晴らしい環境だろう。

だが…コイツは息をしてない。直ぐ横に居ても、熱さを感じない。

機関庫ではない場所も、オレには違和感があった。

再会の感動より、一抹の寂しさが強かった。

 

 

「小学生の時以来だ…」と、同行したギタリスト氏は、動輪の大きさを改めて実感していた。

2人して足回りや構成部品を観察しながら、解説してあげた。

「浪人君は見てるとこが違うなぁ…さすがマニア (笑) 」と言われる。

いや、オレはマニアじゃない。単に工業製品に対する知識が少し多いだけ。

 

建屋内は蒸気機関車しか見ずに出るつもりだったが、

普段見向きもしないディーゼル機関車電気機関車の下回りや

台車に興味が出て、また細かいとこチェックしてた。(笑)

…っても、あくまでも構造に対してだが。

割りピンやロックワイヤ、鋳物の加工部分、随所に見られる工夫や対策。

技術屋さんの意地と、維持管理を続けた鉄道関係者の心意気に感心したよ。

 

 

 

息してたのはコイツだけだった。

小型機関車でも、トロッコ列車になっても、煙出してる。

石炭の燃える匂い。熱気。蒸気。そして精いっぱい響き渡る汽笛。

「あぁ、生きてる。 これこそが、蒸気機関車のあるべき姿」

漸く此処へきた実感が湧いてきた。

 

 

大きなカマも日向ぼっこしてた。

機関庫には…

 

トラブルで大規模修繕をしている(と聞いた)C57 1 号機のテンダー。

これはこれで寂しい状態。またD51 200 と一緒に走れるといいな。

 

 

 

オレは31年前にC62 3 号機の力走を、この目で見た。

あの迫力と豪快な動きを生涯忘れることはないだろう。

赤や白の色や飾りもなく、無骨さだけがやたら目立つのに、スマート。

寒冷地仕様独特の風格と貫禄。あれこそが “王者” 。

その記憶があるから、1号機2号機見ても実感ないんだろうな。彼らは兄弟なのに。

2号機のカマに火が入っていたら、少しは印象変わっていたのかもしれない。

 

蒸気機関車は生きモノだ。

生きているからこそ、魅力も迫力もある。

とても複雑な気持ちになったよ。

 

 

youtu.be

 

今夜は、また麻衣子さんのライブに行く。勿論ギタリスト氏も一緒だ。

 

硬派でロック一筋だった氏に「俺…泣きそう」と言わせた麻衣子さん。

“生きている” 彼女の楽曲は、聴く人の心を揺さぶる。

閉ざしていた心も、凍てついた心も、彼女の前では統べて解放される。